白秋・鉄道省から依頼の歌
♪ 国鉄、国鉄、国鉄、〜

「鉄道精神の歌」

作詞・北原白秋
作曲・山田耕筰


轟け鉄輪、我が此の精神、
輝く使命は 儼たり、響けり。
栄あれ、交通、思へよ国運、
奉公ひとへに 身をもて献げむ。
国鉄、国鉄、国鉄、国鉄、
いざ奮へ我等、我等ぞ、
大家族二十万人。奮へ我等。


轟け鉄輪、我が此の団結、
輝く誠は 耿たり、とほれり。
栄あれ、勤労、誓へよ協力、
敬愛あらたに 和しつつ進まむ。
国鉄、国鉄、国鉄、国鉄、
いざ奮へ我等、我等ぞ、
大家族二十万人。奮へ我等。


轟け鉄輪、我が此の伝統、
輝く魂は 凛たり、匂へり。
栄あれ、公正、鍛へよ質実、
修養朝夜に 知能を磨かむ。
国鉄、国鉄、国鉄、国鉄、
いざ奮へ我等、我等ぞ、
大家族二十万人。奮へ我等。

(昭和九年十二・十二作 山田耕筰作曲)


昭和十年三月
(鉄道精神の歌について)
白秋は語る。


「鉄道精神の歌が制定された。此の事はこの上も無い歓びである。それに就いて作歌者たる私の意見を申述べよといふことであった。私としては光栄至極のことであり、それだけまた省みて…ただ鉄道と私の関係は今日に初まつた訳でなく、嘗ての鉄道唱歌の審査員の一人であり、私の周囲からもその選に当たったのが一二出てゐるといふ風なので、 鉄道精神についても知るところはあった。…形式の思ひきった自由といふことも一応は考へてみた。

しかしそれよりも汽車のあの駆走状態や音響、車輪のリズムを以て率直にその一行一行を走らすことにしたのである。鉄輪の轟きは一定のリズムを以て連続する。…国鉄、国鉄、国鉄、国鉄の連続音はまたそのカダンスであることは、作曲者山田耕筰氏が微笑して、私との精神の交流を感じてくださることなのである。大家族の二十万といふ言葉は七五調には入れられても、八八調の本文の中へは入れられないので、覆唱として、勢ひよく加へることにした。」

昭和十年三月

《白秋・耕筰を歌い継ぐ》
コンサート
山田耕筰の愛弟子
「大谷洌子(きよこ)を囲んで」
(オペラ界のプリマドンナとして一世風靡)

山田耕筰が自ら「からたちの花」をピアノで弾き歌いつつレッスンする耕筰の肉声も聞け、山田耕筰の人間像を垣間見る。 二曲ある「からたちの花」に秘められた耕筰の思いとは?

八月二十八日(土)(十五時開始十四時半開場)
二宮町ラディアンホール(全自由席 二千五百円)
チケット 城山・クラフトえいと
井上楽器(二四・〇五一五)